one day I remember

今思うこと、ある日いつか思い出す、その日のために

アルバムの感想とは言えないストレイテナーのアルバム「Applause」感想1

 

ストレイテナーの新しいアルバム「Applause」を購入。

車の中でひたすら聞く日々。

クリスマスを意識していないリースのデザインのジャケットというけれども、

このいつもより少しめかしこんだ綺麗な装丁は冬の贈り物と言わざるを得ない。

 

 

家や仕事場や近所などに行動を制限され、また、人と会う機会も制限され、

冒険心だとか、開放感だとか、非日常を忘れる日々。

日常を送ることと、そのささやかな日常を愛することに必死で取り組んだ1年。

 

 

できる音楽ってどんな感じ?世界は縮こまってしまうかな。より、優しくなるのかな。

そんなことを思いながら封を開けた。

 

 

 

 

忘れてた。

ロックは抑圧から解放されたいと思ったとき生まれること。

おとなしい人ほど内に秘めてるものが激しいこと。

引っ込み思案だったクラスのあの子がギター始めたら性格変わっちゃうみたいなこと。

 

 

 

新しいアルバムは、思いのほかロックで。

荒くれていたり、ひん曲がってたり、ちょっと鬱々としていたり

思いのほかむき出しになっているような曲がいくつかあって。

5曲目が始まった瞬間、笑ってしまった。

懐かしい言葉が耳に入ってくる。

「天使」だ「死神」だ瓦礫のホリエの再来だ!と田舎道を車で駆け抜けながらカラカラと笑った。

今、新曲でこんな曲がきけてしまうのか。演奏技術が格段にアップした状態で。

年々大人になっていく曲をじんわり楽しみつつも、

どこかで、「あわよくばあの頃のあんな曲をまたきいてみたいなぁ」なんて

思っていたその思いを見透かされたみたいで。

周年ライブで過去の曲をやってくれるのもいいけれど、

「新曲」で過去の雰囲気をもちだしてくれるの、バンドのファンにとって最高の福利厚生だと思った。

 

 

 

 

冒頭3曲がすでに配信されていた曲のため、

ずるをして4曲目まで飛ばそうと思ったその手が止まるほどには、

この3曲が粒ぞろいでどれを聞いても「ええ味出てる」って言いそうになる。

「Graffiti」は旅立つことを忘れかけてる今でもいつだって旅立つ気持ちにさせてくれ、

「叫ぶ星」はギターのメロディとファルセットの「はじめまして」が涙腺をゆるませ、

「さよならだけがおしえてくれた」は徐々に町に明かりがついていく様を思い描かせてくれる。

この3つのつきだしとおいしいお酒で今日のところは帰ってもいいんじゃないかって思える(脳内で居酒屋テナーが開店した)

 

 

 

「いや待ってくださいよいいお酒が入ってるんですよ」とたぶんホリエアツシからさしだされた4曲目。

4曲目だけに、四段仕込の少し手の込んでいて甘めのお酒。

「あ、いいですね。あー、これはふくよかな味わいで。最近流行りの淡麗辛口もちょっとあきてきたので、逆にこういう丁寧な仕込みのお酒とか興味あるんですよね。」

とか口走ってしまいそう。

そう、テナーを聴きこんできた人が「今のモードとしてはこれだよね。」と

選びそうなおしゃれで小粋なタイトルの曲。

歌詞もドライ&スウィートな感じで、きいてるとちょっとうっとりする。

 

 

 

そのムードを完全にかき消したのが次。

雑音みたいな音の重なりから始まり、頭がショートする。

なんか急に冷や水かけられたみたいな気持ちになる。

意外とAメロはあっけらかんとしている。

何だったんだ今の?と思いながら隣に置かれていた

透明のグラスに注がれた飲み物を飲む。

うわなんだこれめっちゃ飲みやすいお酒やん!?カパカパ飲んでしまいそうや!どうしたんですかこのお酒?

とOJにきいたら地元酒蔵の冬の搾りたての生原酒だという(居酒屋テナーが続いてる)

そう!5曲目の「Death Game」はまさしく原酒系の日本酒です。

香りがめちゃくちゃ立つけど飲みやすい。飲みすぎて後で死ぬ羽目になるところも曲名と相まってそっくりです。

「うわあああきたきたこれえええええ!」って思ったテナーファンは結構いるのではないかと思う。

2番Aメロでピコピコした音が入ってくるのがかわいい。

アニメの主題歌とかにつかえそう。

4曲目でおしゃれさを全開に出してきたのに、次がものすごく2次元よりなの

テナーらしい。おしゃれとオタクが混在するからいいのよ。

 

 

 

 

 

 

 

……………………(いろいろと後悔中)。

 

 

 

 

 

丁寧に大人な感想を書こうと思ったのが冒頭なんです。

いけるとおもったんです。

でも、初聴きの感想が「テナーのおいしいところをつめこんだ日本酒詰め合わせセット」だったから、

途中から居酒屋テナーが始まってしまった…。

毎度思うけどテクニック的なこととか音的な感想がかけていない…。

どうしたらいいんや。

残りの曲もそんなこんなで続きます。おそらく。

 

 

 

 

 

 

1/12 L'Arc~en~Ciel TOUR MMXX in 大阪城ホール に行った後、物思いに耽っただけの文章

 

 

「さよなら重力 僕は自由だ」

 

 

言葉通りの軽やかさ、且つのびのびと歌い上げた姿をみて、

この曲が20年の時を経て「解凍」されたのだと思った。

 

 

 

25thのライブで「Don't be Afraid」を聴きながら、

きっとラルクにはまだ新たに歌える歌があると信じて

「未来を恐れないで」と自分に言い聞かせていた。

でも、何か名目がなければ、何かを背負わなければラルクをやらない、

ラルクをやらなきゃいけないっていう使命感でしか船は動かない、

その腰の重さもhydeさんの言葉の端々に感じていて。

いつかのホールツアーのようなあの軽やかなラルクをもう見ることは

今後ないのかもしれないと思う自分もいた。

知らないうちに新曲が3年前になっていた。

あっという間に歳を重ねあっちはオーバーフィフティー、私は三十路ど真ん中。

今日見たラルクが最後だと覚悟するのも当たり前になった。

 

 

ツアーが発表されたとき、そこには何もなかった。

新しい曲も新しい施設も政府もお国の事情もなかった。

ただ、ツアーをやるという事実だけがそこにあった。

周年だからといったおきまりのベスト盤的なセトリじゃなくていい。

何らかの事情に合わせたコンセプチュアルなセットじゃなくてもいい。

思うままに、集まった4人とスタッフで、思い出したかのように過去のリクエストをひっくり返して。

hydeさんのアナウンスでライブが始まって、

見たこともないセンターステージで、

最初のドラムが、ベースが、ギターが、声が、重なって放たれた瞬間

それはそれはあり得ないぐらいバチッとはまった状態で

軽やかに弾けて飛んできた。

 

 

25thライブの時のしょっぱなの「虹」の重たさといったらなかった。

大きすぎる船がまだ鎖につながれているような感じさえした。

遠くて遠くて遠くで後光が差して

眉のないhydeさんの表情がわからなかった。

 

 

 

船は少しコンパクトになった気がした。

ステージにすっぽり納められたPA卓。小さくなったkenちゃんのアンプ。

「お金少し高くてもいいから大きいステージで近くで見れたらいいでしょ?」

的なことをkenちゃんいってたけど、大きくなったっていうより部品が良くなってそれぞれの性能がアップしたみたいな。

それぞれに手が行き届いているような気持ちの良い船。

 

 

hydeさんは言った。

「4人集まってますよ~。えびっさん(恵比寿)がいる、七福神みたいなね。」

ふしぎと「天然記念物」より身近に感じる。この前初詣いったからかな。

ニコニコして言う。ガチャガチャした身なりで。

「嬉しいかー!?俺も、嬉しい!!!!」

そっか嬉しいんだ。

4人久しぶりに集まってライブできてんの本人も嬉しいんだ。

嬉しくてやってんならそんな嬉しいことないよ。

ほんと、なんもなくていいんだよ。背中に何も乗っけなくていいんだよ。

ただただ4人の骨太で軽やかな音きけて、久しぶりに気持ちが軽くなった。

こういうラルクが聴きたかったんだ!

 

 

そんな、ある種ラルクラルクにかけてた重力からの解放を感じるとともに、

様々な曲でその曲の周りにまとわりついていた氷が解けていくような瞬間もあった。

 

 

 

瞳の住人」を聴きながら、ふと

 

「外の空気に首輪を引かれ 僕は背を向けた」

 

という歌詞が耳に引っかかった。

今の今まで意識してなかったけど、これ内側じゃなくて外に繋がれてるんだ。

「君の匂い」は内側で、そのころのhydeさんにとっての内側を示すものといえば

いくつか思い当たるものがある、と、同時に外側が何にあたるかもわかる。

びっくりするぐらい当時のhydeさんの状況を悲観してみた姿が当てはまった。

 

「うつりゆく瞬間をその瞳に住んでいたい」

 

日々変化する様子は何かにとどめておかないと一瞬で忘れてしまうということは自分も経験済みで。

後ろ髪惹かれる思いでこの人は外に出て行ったのだろうか、居心地の良いところから、いまだどうともいえない現場へ。

などとまぁ、悲観するだけ悲観しまくって。

正直、ラルクの中で私ナンバーワンの美メロソングだと思っているんですが、

それに対してこの歌詞ぶっこんできたの、hydeさんエグい。

リーダーめっちゃ自信満々に渡したと思うんよこの曲。

でこの歌詞帰ってくるんですよ。皮肉かといわんばかりのこれ。私ならしばらく灰になりそう。

 

まぁ、この曲のエグさを個人的に痛切に感じつつも、歌い上げるhydeさんはおそらくあのころの気持ちなどどこかへいって、すっかり浄化された状態で。

 よかったなぁと最終的には胸をなでおろす。そんな1曲。

 

 

大阪3日目ともなればステージが動くことにもなれ、MCも若干ネタが付き、「もうええやろ?」とkenちゃんに呆れられるが、

ひとたび話し出すとやっぱり下ネタと緩い小話が繰り広げられる。

髪を揺らすだけで歓声がもらえるドラマーに不満げなギター&ボーカル。

「俺がポニーテールにしたらユッキーがしゃべってくれるんか?」というと、ユッキーはすかさず苦笑して身をドラムセットに隠す。

そのあとのMCではkenちゃんラルク加入当時のエクステ話に花が咲く。

「あれは、冗談やったの?本気だったの?これ付けたらええんちゃう?ってニヤニヤしながら持ってきて。」

 「いや、当時は本気やったと思うよ。」とフォローを入れるteっちゃん。

当時持っていたブルーのギターを全否定されるkenちゃん

「そんなん知らんかってんなぁ。友達に言われたけど、kenちゃんの人生、ギター、〇〇ニー、ギター、〇〇ニー、ギター、〇〇ニーやなって。中学生から変わっとらん。」

「間にギターあってよかったな。」

「ギターヌルヌルやけどな。リーダーもやろ?」

「ん?聞こえない?」

「ユッキーのスティックもやろ、なぁ?」(マイクをもっていく)

 「ぼくのは、すべすべです。」

「はい、今日の一言『すべすべ』ね。」

4人(ほぼ2人)の会話がほんとすごく自然。

 

 

 

そんな会話を座りながらゆっくりとしていて。

でも、このフォーメーションには既視感があった。

 

「では、聴いてください『TIME SLIP』」

 

hydeさんがいうと、ぐっっと足を踏み込むような音が鳴り始め、

緩やかなムードが少し変わった。

自分が思っていたよりも力強いドラムの音だった。

原曲のうつろい、流れるような雰囲気というよりは

足跡を刻むようなしっかりした音だったように思う。

 

 

この曲の歌詞もまたちょっと行き詰った感のある内容だ。

曲調はとても穏やかなのに、流れ過ぎ去ってしまう時を憂いているように思う。

そして、同じ時を歩んできた人に同意を求めている。

当時のことを考えれば、まぁ、無理もない。

年齢的にも、なんか自分もっと他の道があったんじゃないかとか

他にできたことあったんじゃないかとか

ここではないどこかにふと身をおいてみたいとか思う時期で

そういや自分も考えていた気がする。焦る時期だ。

終わりの方には、「それでも腕を伸ばして ささやかな夢を僕らは辿っていく」

と、少し前を向いた歌詞になるんだけれども、

総じて「ため息」が似合う曲だと思っている。

 

あれから20年。

ささやかでは到底収まらない夢をたくさん辿ってきたラルクアンシエル

ほんの少しだけ眉をさげて、あの時よりすこし優しい「ため息」をはきながら

たしかな足取りを歌っていたんじゃないだろうか。

そして、この曲に原曲からは感じることのない力強さがあったのは、

「淡い炎を絶やさぬよう」という気持ちの表れにも思える。

 

 

 

そして、冒頭に書いた「ALL YEAR AROUND FALL IN LOVE」の歌詞。

 

 

まさか最後にこの曲をもってくるとは。

もう、「REAL」大好き芸人(じゃないけど)の私は嬉しくてしょうがなかった。

当時はもんのすごいメイクのhydeさんが壮大な愛を歌っていらっしゃる!

という感じで高校生の私には正直中身はピンとこず。

 壮大すぎると温度感じないもんなのかなぁと、安っぽいハリウッド映画を

思い出したりして(そもそもそんなに映画見てない)

歌詞が本人になじんでいるようには到底思えなかった。

それは、そのツアーの最後で歌っていた「Pieces」にも思った。

 

 

満を持して、言葉に温度が伝わった。

 

 

自由だと言いながら自由じゃなかったその矛盾とものすごいメイクのhydeさんという組み合わせは抜群の相性だった。

あがいて悶絶して苦悩する美人が好きだ、あの時そう思った。

今もなおあがいていて、きっともどかしいこともあって、

この先もまぁ何するか決まってないけど、

「ツアーやりながら決めよっか?」なんていえてしまえるフットワークの軽さ。

「アンケートとったらまたマニアックなのきちゃう!」とニヤニヤしながら話すhydeさん。

 

 

さよなら重力 君は自由だ

 

 

 

どこへでも行けるそんな未来がある。

恐れずに待とう。

 

 

 

 

12/14 ストレイテナー Drawing A Map Tour 2019 in名古屋ダイアモンドホール

 

 

CreaturesのツアーDVDをみながら、あぁこのころのテナーの演奏、インテリジェンスでキレッキレだし、オーディエンスもハチャメチャにのってて、かっこいいなぁ。今はやっぱりちょっと落ち着いたなぁ。テナーもファンも。それぞれ緩やかに楽しんでいる感じだよねー

 

 

 

と、思っていた私をとりあえずぶん殴ろうか。と思った12月14日。

 

 

 

Drawing a Map Tour 2019 in名古屋ダイアモンドホール

今年は対バンイベントが多く気の張った場面が多かったストレイテナーにとって、

自身のワンマンツアーはきっと少し肩の力をぬいたほんわかしたライブになるであろうと思っていた。

がしかし、最初の「スパイラル」で旅の続きを始め、「the Novemberist」で冬の訪れを告げた後、

一気にバチクソかっこいいゾーンに突入していったのである。

言ってしまえば the Novemberistも、これまでに感じていた冬の寒空に一人たたずむイメージではなく、その寒空を「寒そうだね」なんて言いながら部屋の窓から眺める絵面の方が強く浮かぶぐらいだった。ホリエさんの声が柔らかくなったのもあって暖かい11月の曲になっていた。バンプオブチキンの藤君が「冬が寒くてほんとうによかった」と歌うあの温度感をこの曲から感じる日が来るとは夢にも思わなかった。

でも、その曲も終盤になると激しいライトの点滅とともに、突然吹雪が舞い込んできたかのような音に飲み込まれ、その激しさを引き継ぐように「クラッシュ」がはじまった。

イントロが少しクサいなぁって少々敬遠しがちだったこの曲、聴き続けてみればサビのとてもエモーショナルな4人の音とメロディに胸焦がされる。

胸に焚きつけられた火を絶やすことなく「Blaver」がはじまり、サビに入る手前の所でホリエさんがビシッとオーディエンスを指さすと、私はなんだかよくわからないけど今ここにいることに使命感を感じた。君がいるからと歌ってくれるから私はここにいるのだと。この曲を真実の旗として掲げたいぐらいにはこの曲は果てしなくかっこいい。

なんとなく赤に染まったイメージのある空間を一気に青に染めた「青写真」。

もう少し重たく響くかと思いきや、サビが案外リズミカルで心地よくのれる。

激しいんだけどひんやりする。そんな矛盾と付き合いながら「Blue Yellow」の声の抜けの良さに、少し力が抜けてきた。

次の「タイムリープ」もクールダウンの1曲かと思いきや、聞き流すには耳が惜しくなる、今しがたまでの熱に浮かされた状態をとどめておけよとくぎを刺されたような1曲となっていた。

 

バチクソかっこいいゾーンは続く。今度はエモーショナルゾーンというより踊れるゾーン。

ここで今日一のハイライトが来た。「VANDALISM」だ。

めっちゃとんがった曲だ。2013年の武道館で、「一石を投じたつもりだったが全然だった」とメンバーがしょぼくれていたが、今満を持して投げた石が胸に突き刺さっている。

順番にピンスポライトがあてられる。Aメロを歌うホリエさんは腕をだらんとさせて気だるげだ。

それがサビになると「ウラァッ!」みたいな声を張り上げ隠れてた八重歯が牙をむく。とてもじゃないけどインスタでおいしい食べ物あげてる人にはみえない。ひりついた感情がむき出しになっていていやこのカッコよさをだな…ナナイロエレクトリックツアーで見せたっていいじゃない見てほしいよこの有り様を…。と悔やんだ。

カッコよさに充てられているとこんどは今回のツアーではおそらく?ここ名古屋でしかやらなかった「KILLER TUNE」へ。

ここで、オーディエンスが待ってましたと言わんばかりに踊る飛ぶ。Creaturesツアーでハチャメチャにのっていたオーディエンス、まさしくあの時と同じでなんだよなんだよまだまだみんないけるじゃないかとうれしくなって私もはしゃいだ。

サビ前の、「ウォイウォイウォイウォイ!」って掛け声も久々に言った気がする。

この後も「SPEED GUN」「From Noon Till Dawn」とバチクソかっこいい踊れるゾーンが続いてこれが一生続けばいいのにって思った。

 

「さては、明日も休みだからってはしゃいんでんなぁ~?」

と嬉しそうに話し始めたシンペイさん、と、ズボンが脱げそうなひなっちから始まった気の抜けたMC。

蓄音器がある喫茶店が好きなホリエさんの話から、突然ひなっちが蓄音器からでる歌声の真似(赤い林檎に唇よせて~♪)をはじめ、そのうまさにひくホリエさん。

ホリエさんは物まねの練習を鏡の前でし、「ヨシ!」といって終わるというひなっちのタレコミからホリエさんにものまねの飛び火が。

「何したらいいんだ。」といいつつも、会話の流れでさっきの蓄音器のモノマネを披露するとシンペイさんに「よくやったね。いまのながれでモノマネぶちこんでくるの尊敬する。」と言われ照れるホリエさん。

とある名古屋でのイベントがスッカスカだった話、ナナイロ名古屋のトリは荷が重かった~…と正直な気持ちを漏らす場面も。

(客席側からすかさず「テナーが優勝だったよ!」とフォローが入る、笑)

イベントの時はものすごく頑張るらしい。ものすごく頑張って、終わった後に不意に真顔になって「届いたかなぁ。」「さぁ、届いたんじゃねぇ?」なんてやりとりをしているそうな。

「今日はもう、みんないい感じだからそんな頑張んなくてもいいね。なんか、自動操縦みたい。まかせるよ。」

ファンである私から見たら安全パイともいえる曲群でイベントを戦いぬき、

バッキバキのカッコいいレア曲たちをワンマンで力まずにやってみせる。

 ちぐはぐだよなぁなんて思う。

でも、それはやる側も見る側もストレイテナーっていうバンドのかっこいいところ、ツボをお互い分かち合えてる証拠で。

子供に体をふっと預けられた時の心地よい重みみたいに、この場の雰囲気をまかせられていることに心なしか安心感を覚える。だから、気兼ねすることなく、力むことなくお互いはっちゃけられたんじゃないかなぁ今回。

 

ひなっちとホリエさんの会話がかぶりそうになったり、お互いうなずきあいになってきたところで

「さてはお前ら出口がわからなくなったな?」とツッコミを入れたシンペイさん。

「バレましたぁぁ~?」としれっとイッコーのモノマネっぽくしゃべるホリエさん。

OJにしめてもらおうと「出口おしえて?」とホリエさんが聞くと、困惑しながらも

「出口は、あちらです。」と客席後ろのドアをさすOJ。一瞬、どっと(ってほどでもない)笑いがおきると

しまったな…!といった表情でニンマリする他メンバー。

曲はあたたかくじんわりとしたゾーンへ。

 

「吉祥寺」にしろ「月に読む手紙」にしろこんな歌詞を歌うことも聴くことも今じゃすんなり受け入れている。

時を経て角が取れていくそのスピードが、自分のそれと同じようだったからよかったんだと心底思う。

「覚星」までじんわりほっこり温められたあと、少しトーンを落とすかのような「Lightning」を間にはさんで、からの「BIRTHDAY」という流れが秀逸だった。

なんとなくこの一連のセットリストが1日の時間の流れのように感じる。

「あ、今お昼だ、あ、今うっすら月が見えたころ、星がきらめきだしたぞ、寝る前に読書灯をつけたかな、日付が変わった」というイメージがポンポン勝手に湧き出てきた。歌詞もそれとなくその時間を表してるのかもしれないけれどほぼほぼ私の勝手な時間設定である。

で、「DAY TO DAY」は夜明けなんですよ。「シーグラス」は朝から海に向かうんですよ。

さっきまではただただひたすらかっこいい音楽ゾーンで、そちらが第1部だとしたら第2部は景色や時間とともにお届けする音楽ゾーンだったように思う。

これもまたストレイテナーのいいわぁぁぁって思える部分。きっと、それぞれに思う景色があってそれによってまた曲の良さも増幅するんだろうなぁ。

 

 

ここでも少々ゆるくMCを挟んで最後のゾーンに入ったんですが、

「冬の太陽」のイントロでかな?シンペイさんが手をぐぅぅぅっと客席に向かってのばしていたんだよな。なんだかとてもいとおしそうにやっていた気がする。それまでのMCで話していた「Love&Peace」な気持ちになっていたのかもしれない。年末はね、そういう素直な気持ちを言いたくなる時期らしいですから(ホリエさん談)

最後のゾーンは手堅く定番曲で終わるのかと思いきや、「羊の群れは丘を登る」が始まり、

ちょうどその曲で再びテナーに戻ってきた私は感極まる。

こういうメロディアス且つシリアスでちょっと激しいの求めてたんだよなぁあの頃。

当時、その前に出ていた「NEXUS」と「Creatures」がなかなか響かなくて。

あれからもう少し大人になった今じわじわこの2枚のアルバムの曲も好きになってきた。

逆に「羊の群れ~」が入っているアルバムはシリアスすぎて聴き続けられなかったりしている。年を重ねると曲の好みがちょっとかわっているのも面白いなぁと思う。

なんて感慨にひたりながらながれで「Melodic Storm」を聴き、あとはアンコールかぁなんて思っていると、

「ラスト!」

とホリエさんが叫んだ。メロスト本編ラストじゃなかった。

始まったのは「TRAIN」

容赦なく飛んだ。

あの曲のMVはメンバーが老いていくが、この時の客席はたぶん飛ぶたびに若返っていた。Creaturesツアーではちゃめちゃに騒いでいたあの頃よりさらに若く。

 

 

アンコールでメンバーが出てくると、またひとしきりおしゃべりが続く。

いつもはMCを終わらせようとするOJも、「終わらせてもいいけどさ、ここで曲始めたらもう終わっちゃうけど、いいの?」とすこし名残惜しそう。

シンペイさんは「あー!おわりたくないけどおわりたい!」とエモまっしぐらな発言をかます

「じゃあ、喋る?もう少ししゃべる?山ちゃんで手羽先買って。」

と、ひなっちが言うと、すかさず笑い出すホリエさん。

「さっき楽屋で、『手羽先は食わないなぁ~。』っていってたくせに。」

とニヤニヤしていた。

名古屋めしでも手羽先はもう飽きているみたいなテナーの面々。(そのへんはyou tubeチャンネルでも発言済み)

それぞれにおいしい名古屋のごはんやさんを見つけている模様。

ホリエさんはおいしい担々麺のお店をみつけたとかなんとか。きっと食べログにも載っていない、自分だけが知っている家族でやっているような小さなお店。

「えーそれ知らない。きいてないよ。」とひなっちがいうと、

「いや言ったよー。」とふてくされるホリエさん。

「その話、あとでyou tubeチャンネル用に録らせてくれねぇ?」

と、間に入ってくるシンペイさん。

 

 2019年中の名古屋でのライブはこの日が最後だったので一足早く

「よいお年を!」と年の瀬の言葉をいただくことに。

名古屋は年明け1発目にイベントでテナーのライブがはいっており、「来てくれる?」との問いに「行くー!」と口々に返す客席。

「ほんとにくるんだな?これで会場スッカスカだったらぶっころすぞ!笑」

と冗談で返すひなっちに「Love&Peaceはどこいったんだよ。」と苦笑する面々。

さらに、「SEX DRUG & ROCK'N ROLL!!!」と畳みかけると

「ドラッグは駄目。」とぴしゃり、ホリエさん。

まぁ、その辺はね、ナイーブになることがありましたからね。

 

 

アンコールは「SILVER STAR」と「REMINEDER」の2曲で終了。

「SILVER STAR」のレアぶりと名曲ぶりに、客席がわきだっている中、

おっと、この曲ダウンロードしてないなぁ、買わなくては!と思う私。

まだまだ聴けていない曲があるもんです。いやはや。

自分のストレイテナーの地図には意外とまだ白い部分があるんです。

 

 

やっぱりワンマンはいいなぁ、楽しいなぁ、馴染むなぁ。と思った一夜。

ただ、あのバチクソかっこいいゾーンもっと聴いていたかったなぁ。

そんな1日があってもいいと思うよストレイテナー

まぁ、どんなセトリでもうわーってなるからいいんだけどね。

 

 

 

 

 

01.スパイラル
02.The Novemberist
03.クラッシュ
04.Braver
05.青写真
07.VANDALISM
08.KILLER TUNE
09.SPEEDGUN
10.From Noon Till Dawn
11.吉祥寺
12.月に読む手紙
13.Jam and Milk
14.覚星
15.Lighting
16.BIRTHDAY
17.DAY TO DAY
18.シーグラス
19.冬の太陽
20.羊の群れは丘を登る
21.Melodic Storm
22.TRAIN
24.REMINDER
23.SILVER STAR