one day I remember

今思うこと、ある日いつか思い出す、その日のために

アルバムの感想とは言えないストレイテナーのアルバム「Applause」感想1

 

ストレイテナーの新しいアルバム「Applause」を購入。

車の中でひたすら聞く日々。

クリスマスを意識していないリースのデザインのジャケットというけれども、

このいつもより少しめかしこんだ綺麗な装丁は冬の贈り物と言わざるを得ない。

 

 

家や仕事場や近所などに行動を制限され、また、人と会う機会も制限され、

冒険心だとか、開放感だとか、非日常を忘れる日々。

日常を送ることと、そのささやかな日常を愛することに必死で取り組んだ1年。

 

 

できる音楽ってどんな感じ?世界は縮こまってしまうかな。より、優しくなるのかな。

そんなことを思いながら封を開けた。

 

 

 

 

忘れてた。

ロックは抑圧から解放されたいと思ったとき生まれること。

おとなしい人ほど内に秘めてるものが激しいこと。

引っ込み思案だったクラスのあの子がギター始めたら性格変わっちゃうみたいなこと。

 

 

 

新しいアルバムは、思いのほかロックで。

荒くれていたり、ひん曲がってたり、ちょっと鬱々としていたり

思いのほかむき出しになっているような曲がいくつかあって。

5曲目が始まった瞬間、笑ってしまった。

懐かしい言葉が耳に入ってくる。

「天使」だ「死神」だ瓦礫のホリエの再来だ!と田舎道を車で駆け抜けながらカラカラと笑った。

今、新曲でこんな曲がきけてしまうのか。演奏技術が格段にアップした状態で。

年々大人になっていく曲をじんわり楽しみつつも、

どこかで、「あわよくばあの頃のあんな曲をまたきいてみたいなぁ」なんて

思っていたその思いを見透かされたみたいで。

周年ライブで過去の曲をやってくれるのもいいけれど、

「新曲」で過去の雰囲気をもちだしてくれるの、バンドのファンにとって最高の福利厚生だと思った。

 

 

 

 

冒頭3曲がすでに配信されていた曲のため、

ずるをして4曲目まで飛ばそうと思ったその手が止まるほどには、

この3曲が粒ぞろいでどれを聞いても「ええ味出てる」って言いそうになる。

「Graffiti」は旅立つことを忘れかけてる今でもいつだって旅立つ気持ちにさせてくれ、

「叫ぶ星」はギターのメロディとファルセットの「はじめまして」が涙腺をゆるませ、

「さよならだけがおしえてくれた」は徐々に町に明かりがついていく様を思い描かせてくれる。

この3つのつきだしとおいしいお酒で今日のところは帰ってもいいんじゃないかって思える(脳内で居酒屋テナーが開店した)

 

 

 

「いや待ってくださいよいいお酒が入ってるんですよ」とたぶんホリエアツシからさしだされた4曲目。

4曲目だけに、四段仕込の少し手の込んでいて甘めのお酒。

「あ、いいですね。あー、これはふくよかな味わいで。最近流行りの淡麗辛口もちょっとあきてきたので、逆にこういう丁寧な仕込みのお酒とか興味あるんですよね。」

とか口走ってしまいそう。

そう、テナーを聴きこんできた人が「今のモードとしてはこれだよね。」と

選びそうなおしゃれで小粋なタイトルの曲。

歌詞もドライ&スウィートな感じで、きいてるとちょっとうっとりする。

 

 

 

そのムードを完全にかき消したのが次。

雑音みたいな音の重なりから始まり、頭がショートする。

なんか急に冷や水かけられたみたいな気持ちになる。

意外とAメロはあっけらかんとしている。

何だったんだ今の?と思いながら隣に置かれていた

透明のグラスに注がれた飲み物を飲む。

うわなんだこれめっちゃ飲みやすいお酒やん!?カパカパ飲んでしまいそうや!どうしたんですかこのお酒?

とOJにきいたら地元酒蔵の冬の搾りたての生原酒だという(居酒屋テナーが続いてる)

そう!5曲目の「Death Game」はまさしく原酒系の日本酒です。

香りがめちゃくちゃ立つけど飲みやすい。飲みすぎて後で死ぬ羽目になるところも曲名と相まってそっくりです。

「うわあああきたきたこれえええええ!」って思ったテナーファンは結構いるのではないかと思う。

2番Aメロでピコピコした音が入ってくるのがかわいい。

アニメの主題歌とかにつかえそう。

4曲目でおしゃれさを全開に出してきたのに、次がものすごく2次元よりなの

テナーらしい。おしゃれとオタクが混在するからいいのよ。

 

 

 

 

 

 

 

……………………(いろいろと後悔中)。

 

 

 

 

 

丁寧に大人な感想を書こうと思ったのが冒頭なんです。

いけるとおもったんです。

でも、初聴きの感想が「テナーのおいしいところをつめこんだ日本酒詰め合わせセット」だったから、

途中から居酒屋テナーが始まってしまった…。

毎度思うけどテクニック的なこととか音的な感想がかけていない…。

どうしたらいいんや。

残りの曲もそんなこんなで続きます。おそらく。