勝手気ままな「The Ordinary Road」を聴いた感想
こちらでは雪が降りだす前のあられと雷がやってきて、秋なんてほとんど一瞬でしたが、
ストレイテナーの新しいアルバム「The Ordinary Road」を聴いているときだけは秋を感じていたい。
秋はテナー、清少納言に教えたい秋。
ではアルバムの感想とまいりましょう。
1 Come and Go
秋がよく似合うストレイテナーのさわやかな初秋のドライブソングといったところ。
軽やかでラフに聴ける。
聞こえてくる歌詞を通して率直に思ったのが、コロナ明けの心境なのかなということ。
前作のラストソングである「混ぜれば黒になる絵具」もこの曲と同様にドライブソングっぽい感じで。ただ、あの時はまだコロナ禍真っ只中でこの先見えないカーブを曲がって走り続けていくという印象を個人的にうけた。そして、今回のこの曲はあの曲のカーブを曲がった先の景色なんだと感じた。
あの時どうなるんだろうと思った未来に自分がもう立っている。そんな時の流れの妙を感じつつ、やみくもに駆け抜けていた道の途中でとりこぼしたものを拾い上げ、いつの間にか途切れてしまっていた人や時間のつながりを取り戻してまた駆け抜けていこうといった曲なんじゃないかなと。
そう考えるとちょっと重いがまぁいいや。サビのちょっとエモくなるところにそれがきっと詰まってる。
曲はちょっといなたさがあって、サビは直前のBメロより落とすという最近のホリエさんの好きパターンかな。
服でいうと(服でいうと?)、「チェックのシャツ」。古着でも毎年秋ごろに服屋に並び始めトレンド面してくる服。着方によっておしゃれにもダサくもなる。さじ加減が難しい服。テナーはそのおしゃれとダサさのさじ加減を楽しんでいるように思う。
2 Zero Generation
イントロのギターで「お?切なくてエモいのくる?」とおもっていたら
デンッーデーデンッデーデンッデーデッデッデデーン!
って、強めのギターが流れ始め「あ!これ『Parody』的なやつだ」と考えを改めた曲。
たぶんライブだとOJが足をじたばたさせながらこのメロディ弾く。
言葉遊びが楽しい歌詞。慣用句とかことわざを絶妙に組み合わせ、とどめはヨネダ2000ときたもんだ。いや、本人がそれ意識してるかどうかは知らんけど。
おかげさまでだいぶちらつくよあの二人が。イントネーションがあれで再生されるよ。
あと、歌にしろ歌詞にしろだいぶやさぐれてる。このやさぐれ加減は、漫画ONE PIECEの単行本に掲載されているSBSというコーナーでたまに尾田先生が描く「なんかあった○○」といった、数年後のやさぐれたワンピースのキャラクターとおなじぐらい。「Come and Go」がまっとうなコロナ明けの精神だとしたら、こっちはちょっと荒んでしまったほうの未来というか。もう一切合切かなぐり捨ててゼロからはじめようぜ、みたいな。いや荒んでいるというよりやけくそ?
ホリエさんの中にある仏の部分ではない、八重歯に潜むわずかな狂気がおりなすそんな曲。嫌いじゃない、むしろ好き、もっとやれ。
3 Skeletonize!
まっとうにかっこいい曲だよ。ズバン!ときたよ。そりゃファンは沸く。
最初にピアノがターン!となってしまったら頭の中でそれをひくホリエアツシが映し出されてうわーってなる。
なんか、アニメのタイアップで、こう、意思が強く覚悟を決めたような曲ってテナーとめちゃくちゃ相性いいと思うんだ。「Braver」然り。
「この身はたった一つ」とか「最後まで騙してほしい」とか、いちいち歌詞もかっこよくて震えるわ。
4 Exelion
イントロがちょっとダサめにきた?(言い方)と思い軽い気持ちで聴いていたら、サビでとんでもなくエモ散らかしてきた曲。
わーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
好きーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
もう、これしかない。
なんなん!?サトヤスさんもインタビューでおっしゃってましたけど、いまだにこのドストレートなロックな曲を新鮮味をもってやってくれるのほんと嬉しいよ。
そっか、こういう音数がだいぶ多く鳴り響いてるタイプの曲って少し前に流行った部類のになるのか…。
さっきも書いたように、最近のホリエさんの曲はサビの入りで一旦落とす、または全体的にフラットな曲が多い。世の中の傾向としてもそうなのかもしれないね。
そのほうがひねりがあっておしゃれに聞こえるのかもしれない…しれないけどさ…。
やっぱりラルクアンシエルのkenちゃんの曲で毎度毎度サビで飛び立たせていただいてoおり、澤野弘之さんの「inferno」とかでバチボコにテンション上がるこの身にはサビで上がる曲がめちゃくちゃ沁みるのよーーーーーーー!!!!!
うおーーーーーーむこう10年こういう曲作り続けてくれーーーーーー!!!!!
あとナッシングスカバーしろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
5 リヒトミューレ
怒涛の4曲を終え、ちょっと趣向をかえてきた。
あ、わかる。ここからですね、ここからテナーのなんか芯みたいなのが見え隠れしてくるやつ。聞けば聞くほど味わい深くなってくるゾーンですね。
そんなこんなで実は最初は冒頭4曲の強さにあてられてピンとこなかった。
なんかちょっと不思議な音の羅列を感じる。「翌る日のピエロ」とか「Yeti」を聴いたときにも感じたようなやつ。
この手の曲は私の中でかってに「テナーの不思議の国のアリス枠」に入れている。何それ?
いやとにかく不思議な感じとしか言いようがないから。
Aメロの「連なる山脈の先」「絡まる足纏う霧」のあとにピタッと音が止まるところ、
雨がポツンと降りだしてふと足を止めるみたいな感じで、サビになると雨がサーっと降り始めて地面がじわじわ濡れていくようなそういうイメージ。
「壊れる世界」とか「革命のエチュード」とか、どこかライトノベルっぽい異世界感もある。
6 雨の明日
いやー、しっとりしてていいなぁ。しっとりしておいしいドーナツぐらいいい。
「ドラマみたいにはうまくいかないよな」っていうけど、この曲の歌詞でドラマ一本作れるよね。
ドラマとまではいかなくても、頭の中でなにかしらストーリー仕立てのMVが流れたでしょうそうでしょう。
私はとりあえず、いったんなんやかんやあって別れたけど復縁しようときめ、あわせてプロポーズもすることにした一人の男の話を思い描きましたよ。
相手の女の人花屋さんね。その花屋さんに別れた男の人が注文しに来るんだけど、花束じゃなくてリースなのよ。男の人は自分の想いと相手のイメージを女の人に伝えてリースを作ってもらい、それを復縁して結婚したのちの新居に飾るのよ。女の人「あ、それ!?」
ってなってハッピーエンド。
曲の感想は?
でもまあ無理もない。ホリエさん最近日本のドラマとかもちょいちょい見るそうで、
そういうところからヒントを得た歌詞なのかもしれないですよ。
破滅的なものや日常に懐疑的になることになんらかの美しさとエモさを感じていた若いころから、こういった日常の一場面に美しさを感じて歌にできるようになるってそれ自体がもうその人のドラマになってていいよね。
7 インビジブル
このタイトルきくと、私は「インビジブルレイン」っていう小説と、ラジオCMでやってる接着剤を思い出してしまうわけですが。
「見えなくていい」かあ…。
なんか、自分や自分の想いなんて君は知ることはなくていい、って感じ?あしながおじさんか?
わー…これはめっちゃホリエさんって感じがするわああ。こっちがもとからある素の部分。
ホリエさんってその優しさや雰囲気の柔らかさから慕ってくる後輩がわりといますが、
そこをひきつれて先導していくタイプではなく、最終的にそこに集まった人間が自分なしで盛り上がるさまをお猪口片手に遠くから眺めていたいんだろうといったタイプで。
そーーーーーーいうところがこの歌詞とリンクするなぁって。もーほんとに。
秋口の晴れた朝にかかる霧みたいなやつだよ。まったく。明るくなったと思ったら消えてんだ。
いいんだよ、そのホンワカした暖かさをアピールしたっていいじゃない!?
でも、そうならないから結局みんな好きなんだよねホリエさんのこと。
すいません勝手なホリエ像を披露してしまいました…
これ、Silver Lining Tourで初聴きしたときは、いまいちリズムの取り方がわからんくて、沁みなかった曲でして。
歌いまわし独特ですよね?ミスチルのさくらいさんがよく使う「タターン」のリズムが多い。
慣れてくると、船をこぐような感じがしてゆらゆらと気持ちがよい。
すいーっと進んでいくというより湖面を当てもなく浮かんでいるだけのような。
で、霧がかってんだよ。サビで朝日がさして錆が終わるころには霧が消えてみえなくなってんだよ。
2番サビの「笑ってほしいんだ」のところでちょっと声がかすれるのがいいよね。なんか、これでいいと思っていても引きずる思いがあるようなないような。
8 工場夜景
全編英語の詞の曲がこのアルバムには2曲あるわけですが、どちらも私にはクリティカルヒットしました!
もーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー好きーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
夜の高速走り抜けてるよね。私、旦那氏と結婚する前に行ったユニバ旅行で、前日の夜の仕事後に大阪に車で向かったんだけどその時思い出したよね!あの時にこの曲かかってたらもうテンションMAXだっただろうね(11年前です)
最後のサビの畳みかけでシンバルがシャンシャンシャンシャン♪なると、「いよー!まってました!これぞテナーのお家芸!テナー節!」と、はやし立てなくなる気持ちで眠れなくなるし、最後のホリエさんの「Sweet Dreams」でわっ!ってなってさらに眠れなくなるしこれはもう「眠眠打破」です。
曲の時間も短くさらっと聴ける曲なんですが、まぁこの曲の位置づけがいいですよね。
前の曲の「インビジブル」、そしてこの後に控えている激重ソング「パレイドリア」。
続けて聴こうもんならめっちゃ方に重力のしかかってきそうで。
なんか悲しみに明け暮れたかったり沈んだ気持ちに寄り添いたいときぐらいしか聴き続けようと思わない、少なくとも私は。
でも、この曲がめっちゃ緩和させ次にすっとつなげてくれるインタルード的な役割をしてくれてると思うんですよね。
こういう繋ぎの良さがアルバムにはあるよなぁ。通して聴く価値が生まれるんだよなぁ。
9 パレイドリア
いやー、きた。きたよ。ここ数年でいっちゃん重い奴が。
冬の日本海ぐらい暗くて重いわ。
曲の冒頭が「役に立たない」ってだけでうわぁ…ってなったもんな。
なんだろう、死生観を歌ってんのかなって思うんだけど、髭ダンの「アポトーシス」の彩度をめちゃくちゃ落としたのがこの曲って感じ。
ちなみに、「アポトーシス」は細胞の自然死を意味しててその語源は枯れ葉が木から落ちる様からきているそう。
私は「パレイドリア」聴いてると秋の西日、日が暮れる前の僅かに残る日なたの温かさと寂しさを感じるのね。
で、以前多肉植物を買おうとしたところの花屋さんが話していたんだけど「西日」は草木を枯らす光とも言われているそう。(なので、自分の家で植物を育てるのは向かないことを知った)
「西日」が「枯らす」木々の葉を、人の命と同じかのように思い見つめる二人。
そんなちょっと寂しい絵面を思い描いてしまうよこの2曲には。まぁ、「アポトーシス」のほうはそれでもちょっと幸せみある気がする。だから、彩度をおとしたのが「パレイドリア」ということです。
「さようならが辛いから幸せなんだ」っていうための心の準備と、
そのいつかのために、どこかに君の面影を見つけられるようなそんな地味な魔法を覚えておこういったところだろうか。
私の独断と思い込みも最高潮になってまいりました!次!最後です!
10 Uncertrein
なんだよもうっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!
って椅子から転げ落ちそうになる曲。
実際は初聴きが車の中だったのでハンドルをバシバシたたきながら笑いました。
車外から見た私はきっとおかしかったと思います。
「またいつかはもうない」とか「何度も生まれ変われたなら(そうはいかないだろうが)」
って前の曲でさんざんネガディブホロウまき散らしておいて、
次の瞬間には「生まれ変わってもまたよろしくね」ときたもんだ。
ここにホリエアツシの背中があろうもんなら「お前なぁ!?」っていいながらバシッ!っと叩いてるかもしんない。
なんだよ泣かせやがって心配かけさせやがってあのまま冬の日本海にでも沈んでいくんかってぐらい暗かったぞこんにゃろまぁ好きだけどあの曲、でもあの暗さがあったからこの曲もまた光ってくるし泣いちゃうんだよな。
って、お酒飲んでよっぱらったらこんな感じでくだまくと思います。
前の曲では「さよなら」をいう準備をしてたやつが、
次の曲では「さよなら」なんて思い浮かぶこともないまた会えるって知ってるからみたいな自信を携えているのよね。
「Uncertrein」=「不確か」だけどなんかいけそうなきがする。
そんなちょっと明るい死生観。
この4、5年でそういう場面にぶち当たることも増え、しらずしらずそれが言葉にのり、また、のせることを厭わなくなったのかなとおわりの2曲で感じました。
「役に立たない魔法」と「当てにならない自信」をもってその悲しみをのりこえていく、そういう思いを勝手ながら受け取りました。
そう、すべては勝手な思い込み、勝手な感想です。
なんか前回はかってにお酒にしちゃってたけど今回はあんましそうならなくてよかったです。
ツアー行く前に書き出せてよかった!
12/26 L'Arc-en-Ciel 30th L'Anniversary TOUR 代々木第一体育館 最終日(ディレイ)
15年前の私に今伝えるとしたら、
「あ!大丈夫大丈夫!ラルク全然腰曲がってないよ!ちょっと肉離れしてたり、ステージから落下したりしてるけど!私もマスクしてるけど!」
たぶんそれを聞いた大学3年生の私は気が気じゃないだろう。全然大丈夫じゃない。
何事だと。
とりあえず、30周年を迎えられたことは素直に嬉しい、が、こんな未来は描いていなかった。なんなら2020年始まってすぐのMMXXツアーに行ってた私でも、だ。
突如として始まり、拡散し、今なお世界に影響を及ぼし続けているコロナウイルスから完全に抜けだせないままの2021年。
ラルクの30周年のお祭りツアーは静かに始まり、沈黙を保つことでなんとか完走することができた。
私が見たのはツアー最終日のディレイ放送。地元の映画館で。
当時の私が聞いたらちょっと寂しいと思うだろうか。だよな。
お祭りじゃないんだよ。
なんかもう、祈りを捧げる場みたいな。
みんないるのに、みんなで見てるのに、私は一人でアルバムめくってるみたいだよ。
それでも、映画館ですべてを見終わった後、おなかがじんわり温かくなった。
これはこれでいい。そう思える日がいつかくる。
声が出せなくて、シャカシャカふっていたマラカスライトも、
hydeさんは「いつかいい思い出になるといいよね。」と言っていた。
冒頭の「get out from the shell」をフードを被った状態で歌うhydeさんを見たとき、
2000年のREALIVEを思い出した。
サビに入るまでスクリーンに映し出された檻の中で演奏をしている彼らを見て、
TOUR 2000 REALの格子状のアルミ(鉄?)の枠で囲まれた飾りっ気のないステージを思い出した。
21年前私が初めて見たライブを思い出させた。
やっぱり、これはこれでよくなかった。ものすごくあの場に行きたくなった。生で見たかった。涙出た。
このさみしい気持ちと悔しい気持ちは、次で昇華させたい。
それにしても、なんて瑞々しいんだろう。
ブルースハープを吹いてはきょろきょろするhydeさんにミーアキャットみを感じ、
ふふっと笑った(映画館全体で)その後、演奏された「flower」。
その瑞々しさといったら、今朝テレビでちらっと見た「カムカムエブリバディ」に出てくる深津絵里さんのよう。
(彼女もhydeさんより少し下ぐらいのお歳なんですが、びっくりするぐらい18歳の役がぴったりで。初心さがありつつ凛として素敵なんです。目指したい姿。)
まだ、恋も愛もそんな知らなくて、手に取った恋や愛がひたすら刹那的に映る。そんな感じが、今演奏されているその音から感じとれる。
はたまた「fate」をきけば、心臓の奥をぐっと押してくるような音で、Kenちゃんのほうを見れば、フレキシブルに緊張感MAXなギターの音を奏でている。
「NEO UNIVERSE」の鮮やかでキラキラした音に私は今でも「21世紀は明るいんだろうな」という淡い幻想を抱く。
その後の繋ぎの音で、うわー!こうきたかー!とゾワゾワし始まる「DRINK IT DOWN」。
このイントロが流れた瞬間、今日一声を出せないことを悔やんだ。
「キャー!」っていいたい「っっっっかーーーーー!かっけぇぇぇぇぇぇ!」っていいたい。
声が出せないまま泡になってい消えていった人魚ってこんな感じ?
それとも、「王様の耳はロバの耳ー!」って井戸に向かっていった人ってこんな感じ?
ともかく、ラルクアンシエルを1曲で紹介しろと言われたら私は迷いなくこの曲を選ぶ。
「with Dune…」と歌うhydeさんの儚さと言ったら砂のお城のよう。ぺしゃりと膝を折って座り込む当時のソバージュhydeさんが透けて見える。
MMXXの時と同様、序盤から4人の演奏がバチっとはまっていて、
でも、それが重くなく軽やかに聞こえてくる。
それに加えて、どの曲も当時の新鮮さそのままでこちらに送り出されてくる。
以前はライブに行ってもグルーヴを感じるまで時間がかかっていて、
いい曲が不完全燃焼で終わることもしばしば。
昨今のライブは曲の匂いは当時のままに、演奏は完璧というありがたい状態。
どの曲も聴き終わりには「瑞々しい…」と呟いていた。
思うに、ラルクは「骨太」なバンドにはならなかったなと。
いろんな野球選手が体を鍛えることに集中するあまり、年を追うごとにムキっとするか丸っとしてしまう中、
イチロー選手はあまり鍛えるということをせず、シュッとした体型を維持しそれを生かしたプレーをしている。
それとなんとなく似ている。
4人が30年間四六時中膝を突き合わせて活動していたのではなく、
それぞれに磨き上げていったからこそ、いつまでも新鮮で瑞々しい音が届けられるのではないかと思った。
「EVERLASTING」は、ラルクで昔やっていそうな雰囲気のものを2014年版でやってみたという、
時系列からぽっかり浮かび上がった曲で、聞いていると頭が混乱する。
歌詞もhydeさんの私情ではないけれど、hydeさんに乗り移った女性の私情という感じがして、なんかこう…聞いていると聴いていられない禁忌の香りがする。
なんとも鬱々とした雨の音が残り胸がざわざわする中、
雷鳴とKenちゃんのギターの音色が交差する。
聞こえていた雨の音が上流の川のせせらぎに変わった気がした。
続く「MY HEART DRAWS A DREAM」は、何度感謝しても感謝しきれず
何度涙してもまだ新鮮な涙が出てくる曲。
つぎはぎだらけの未来を歩んできた自分に今日も刺さる。
子供に聞かせたいラルクの曲ナンバーワンだ。いつか聞かせて一緒に歌いたい。
いつもライブでは今日この日までのことを思い歌っていたが、
今日は歌うことができないとわかっていた。
どうなるのだろうか。メンバーが歌うのか。
すると、会場では優しくきれいなハミングがながれていた。ピアノの旋律とともに。
会場の人たちが何とかして届けた歌。
そうかそうか、こういう形になったのか。今最大限できるこの時期しかできない歌声。
2008年、L'7ライブでのTETSUYAさんの低音コーラス以上にそれは優しく、
私はたぶんあの日の次ぐらい泣いたと思う。
同じようにラストの「あなた」の大合唱もハミングとなり、
その思いをつないで優しく歌いおさめるhydeさん。
「GOOD LUCK MY WAY」をきくと、2008年から2011年まで3年間、待ちに待ったラルクのライブへいけることのわくわく感を思いだし、
「ここまでつまづいてもこれたから」という歌詞がやたら自分を励ましてくれる。
今思うとこの曲は、2008年のL'7の時に歌われた「MY HEART DRAWS A DREAM」の
「そこからは未来が見えるかな ツギハギであろうと」に対するアンサーソングのように思える。
今もあの時と同じように待っている。
つまづいたり、それぞれに人生を謳歌しながら。
このハミングが力いっぱいの歌声になる日を。
アルバムの感想とは言えないストレイテナーのアルバム「Applause」感想2
ストレイテナーの新しいアルバム「Applause」の感想、続き。
5曲目の激しさと怒りをにじませた状態に、少しひねりが加えられた6曲目。
悪い酔いしてやさぐれているような印象。
あれだあれだ…CREATURESの最後に入っているあの、そう「瞬きをしない猫」
を彷彿とさせるような。
昔の曲を引き出しに感想を書こうとしている時点で、私はこのアルバムをもうファンでない人に紹介しようという気はさらさらないのかもしれない。
そもそもつぶやきの延長である。
曲のカッコよさはさることながら、書かれている歌詞に、あーそれはわからんでもないって思う。
Twitterとかはただただ私にとってつぶやいてるだけの場所なんだけど、時として社会問題やら差別問題、世論がどうのこのと大きな話題が流れ込んでくると、
なんだか世の中問題だらけで手に負えないなって暗い気持ちになる日もあって。
ただ、全部知ろうとする必要も答える必要もなくて、私は私と私の身の回りの人を守っていくしかないしそれしかできんよって最終的にはなるんだけど。
なので、「大切なモノだけぼくは守りたい」っていうのにちょっと気持ちがリンクします。
テナーもね、「世界平和」とかかかげるようなバンドではないのよね。
ただ、このバンドの空気に包まれてるととてつもなく「平和」になるから、みんなテナー好きになればいい(結局勧めるんかい)
「Parody」は、Graffitiのカップリングとしてすでに曲を知っている人からすると、
このアルバムの間に挟まれた箸休め的な位置にある曲だと思う。
ただ、アルバムで初めて聴く人からすれば、強烈に香しい果実酒のような曲だと思います。ブランデー梅酒みたいな(日本酒じゃなくなった)
色気ある曲だなぁとおもうし、「離さない」っていうときのホリエアツシの少し枯れた声がとても良い色気だと思います。
曲の展開がころころ変わって楽しい曲。
強いお酒やら香りの強いお酒ばっかり飲んでるのでここいらで本醸造酒あたりを…ということで「Dry frower」です。
香りは吟醸酒ほどは立ちませんが雑味が抑えられて、すっきりと且つまろやかとした味わい。すこしあっためて飲んでもいい。いろんな飲み方ができて、お酒好きがコスパよく飲み続けられるお酒でもある。
最初聴いた時、さらっとしててすーっと聞き流してしまいそうになるところがまさにこのお酒だと思ったわけです。
(もはや曲の紹介なのか酒の紹介なのかよくわからない)
ただ、サビの終わりが歌謡曲っぽいクセがあって面白いし、間奏とかは演奏組の技巧にゆらゆら聴き入るのが気持ちいいですね。
いくらすっきりと気持ちの良い曲だからといって聞き続けてると、終わりのほうの毒々しい8フレーズに飲まれますよ。
静かに枯れていく花みたいに静かに毒に飲まれていく歌。
ふと、アルバム全体を眺めると、ハッピーな曲が少ないことに気づく。
前作はそれまでテナーが歩んできた道の充足感とかだったりラブソングだったりで、
湿っぽさあれど全体的に幸せな雰囲気があった気がする。
まぁ、時代が時代か。
さ、そんなハッピーな曲が少ない中でのなけなしのハッピーソング「Maestro」
はじけるようなリズム。スパークリングワインだなこれは。
一応、クリスマスソングを意識してるんでしたっけ?
歌詞カードみたら、言うほどハッピーでもなかったけど「未来」っていうワードが一つあるだけでもちょっと明るいかな。
最近のテナーアルバムの後半にヘンテコな拍子、ヘンテコなAメロの曲1抑入ってるなって思うんだけど、今回はこれがそう。
「Superman Song」「A Man On The Moon」あたりの感じ。
イントロのギターのテロリロ、テロリロ。
このタイプの始まりの曲大体私大好き説。「No cut」
Dragon Ashのバラードで使われていそうなギターの音ながれてたら大体私大好き説。「No cut」
伝わらねぇ…。
たとえるお酒はないです。ただただいい曲だよ。一番泣いてしまう曲。
ただ、映画で言うならエンディングのめちゃくちゃ盛り上がるいいシーンで使われそう。
AメロBメロでぐっと抑えて押さえてサビでしっかり盛り上がるバラード。サビできちんと飛ばせてくれるバラード。
あとはもう、歌詞よ…。自分の書いてきた歌詞やら曲のことかねこれは。
回りくどい言葉もいっぱいつかって、雰囲気やニュアンスだけを伝えようとして
結果空回りして、ふてくされたりもして、笑。
歩んできた結果いま、するんと出てくる言葉の素直さに心打たれるよ。
最短ルートでこれらの言葉がでてきていたとしたら、私たちはたぶん好きになってなかったはずだから、それでいいんだ。
感性の尖りかたと、尖った感性が丸くなっていくスピードが似ていたからここまで好きでいるのだと思う。
会いに行きたいね。心からそう思うよ。
全曲が大団円のエンディングだとしたら、最後の「混ぜれば黒になる絵具」
はカーテンコールのようなさわやかさ。
よかったわ。タイトルだけ聞いたら「78-0」みたいなそれまでの流れぶった切った唐突なとがりソングかなと思ったから。「78-0」めっちゃすきやけど。
アルバムを〆るというより、次に向けてなんか爪痕残しとく、余韻ぶった切る系がたまにあるので、今回はどうかなぁと思ったら過去一さらっとした終わりだった。
2番がない。
今LINEでやってるアレキサンドロスのウェブドラマの冒頭のモノローグでも語られていた
「そもそも2番って何?1番で言いたいことを言いきったらそれで終わればいいじゃないか。」
を思い出した。車で軽やかに走り去っていくそのイメージを曲にしたら2番入らなかったのかもしれない。
車の中で聞いてた時には気づかなかったけど、「It's all right」って歌うところの「r」の部分で音程を下げてるのね。家のコンポできいたら妙にドキッとした。
そこの部分がめっちゃ好き。
フェードアウトもめずらしい気がする。
テナーの曲って「ジャン!」って終わるイメージがつよい。
最初聴いた時思わず「フェードアウトなんだあぁ…。」って言ったぐらいだから。
テナーは優しそうな感じして曲叩きつけて終わっていくようなところあるから
今回はそっ、っと置かれた気がした、曲を。優しい終わり方。
居酒屋感は途中でなくなりました。
「Applause」、いろんなテナーのおいしいところがつまってるから、この冬の贈り物、暮の元気なご挨拶等々、様々な場面でどうぞご活用ください。
でもこれはきっとテナーを好きなごくわずかの人しか読んでくれないだろうし、だれが一番読むかって言ったら自分が読むんだろうね。
