one day I remember

今思うこと、ある日いつか思い出す、その日のために

SID 2nd album 「dead stock」

おっし!ツアー行く前までには書き上げたかったのでがんばった! アルバムの感想を遅ればせながらどぞー。
dead stock(初回生産限定盤A)dead stock(初回生産限定盤A)
(2011/02/23)
シド

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1.NO LDK Shinjiさん作曲。ワツインのインタビューで「冷たくて空気がないみたいな曲」と 作曲者本人が言っており、聴く前から期待がものすごく高かった曲。 そして、期待通り、ものすごく好きになった曲。 あー、もう、この、ぴりぴりとしてる感じたまらん。 静かでひりひりした空間たまらん。好き。好き過ぎて私も息が苦しくなる。 前々からいってますが1曲目が暗いアルバムが好きなんです。 「落園」は「暗い」っていうより「重い」って印象が強かったし、暗いとはいえゆうやさんの 優しさが半分おりこまれててピリっと感には欠けてたんだなぁ。 ずしーんと重いっていうより、冬の張り詰めた空気の中でふ…と倒れそうになる感覚になる 一言で言うと倒錯的になる音楽が1曲目にきてると自分的には気持ちがいい。 これまた明希ちゃんがワツインのインタビューで言ってたことですが、 これからどうなっていくんだろうってどきどきさせられるような始まりなんですよね。 曲の中であまり大きい波がなく、特にオチもつけられてないから、 これをきっかけにどんどんこのアルバムの中にはいっていける。 あとですね、ふだんのShinjiさんがどんな曲に囲まれて生きてるんかはよくわかりませんが、 こういう一定のくるくるとした?テンポと曲調が、近年のギターロックの流行の音にちょっと 似てるんですよねー。サカナクションの「アルクアラウンド」とかandoropの曲を彷彿とさせる。 アーバンな彼のことですから、こういうお洒落どころは聞かずとも空気で読み取ってるんでしょう。 歌詞も好き。大人な恋ですよ。すっかりと。 2.シェルター 予想ではいちばん喰いつきのよい曲。そして予想通り、いろんなかたの感想を聞いた限り 第一印象で一番人気が高かった曲。 「妄想日記2」とおなじ位置づけにあり、奇しくもギターのリフとリズムが似てます。 マオさんがいうよう、具体的にはいえないけどShinji節って感じがする曲。 マオさんの歌い方が「dummy」とか「敬礼ボウイ」みたいな、ちょっと粗ぶった攻撃的な歌い方。 1曲目と2曲目の歌い方の違いを知るだけでも面白いねぇ。 で、無論私もこういう曲好きで。サビでラルクの「spiral」思い出しました。 狂ったリズムとをShinjiさんがおっしゃってるんですが、「狂ったリズム」って言う単語は どことなくYukihiroさんに通ずるものがありますね。 途中でShinjiさんが絶対足踏みしながらギター弾きそうなところがある。それがみたい!わくわく。 3.cosmetic 1曲目2曲目で結構度肝抜かれたんで、3曲のスマートな入りと安定感に感動する。 改めてこの曲のイントロのギターが渋かっこいいと思った。 メンバー的には「意外性」を推していましたが、 私個人としては「意外性」より「あーシドっぽいのきた」って思ったな当時。 「お洒落で妖しい曲」っていうのがシドのど真ん中だと思ってるので。 でも、昔ならもっと俗っぽく欲に任せたアレンジしたかな。 スマートにスマートに仕上げた感がある。ベースソロがいいねー。弦楽器隊のおいしいところ満載。 4.いいひと 1,2,3とShinji曲でわりと攻撃的な感じがしたのでここら辺で一息ですね。 曲のおわりのShinjiさんのギターもなんともいえないお遊び心にまみれてる。 過去のシドっちゃんのアルバムを振り返ったり、その他のアーティストのアルバムを思い返してみて この4曲目で毛色を変えてくることってほんとに多い。 まぁ、ライブも3曲おわってひとまずMCするしねぇ。 で、まったりした曲って「重くて優しいバラード」と同様、自分がそういう気分にならない限り なかなか好き好んで聴いたりしないんですが、明希ちゃんの曲なので 曲のどこかにきっとどこかときめくものがあるはずだと信じて疑わず頭から終わりまで聴く。 まだそこまでピンとくるものはない。これからの成長を待っている状態です。 5.乱舞のメロディ(ALBUM MIX) ベースの音が大きくなったかな? 流れてる音の幅が広くなったからかより疾走感が増して、こっちの方がバンドっぽい 音の仕上がりになってるような気がします。 まぁ、ギターの音からベースの音、ドラムにボーカル、なんでもかんでもレベル上げちゃうと 音に奥行きがなくなって安っぽいバンドの音になってしまうからね。 それに、あんまし喧しいとタイアップ先の画を邪魔しちゃうだろうから、 ある程度抑えて引き立てるものにしないとね。 とはいえ、個人的にどストライクでどストレートなロックだっただけに、 シングルを聴いた時の物足りなさといったらなかった…。 なので、このアルバムミックスをきいてだいぶ満足した! 6.レイン これはねぇ…曲の感想より、当時の思い出ばかりが頭に浮かびます。思い出先行型。 昨年6月のたーぽす…。Shinjiさんにらぶずっきゅんだったたーぽす。 リアルイケメンしーたんに本気でハート打ちぬかれた思い出…。 (60秒ほどお待ちください) 「sleep」からのまったりバラード続きで、発表された当初はちょっと萎えたんですが、 ライブではじめて聴いた時のイントロのかっこよさと、歌詞の秀逸さが際立って だいぶ好きになりました。そして、なんだかんだで去年車ん中で一番聴いた曲です。 歌詞を書いた本人はハガレンを意識してなかったそうですが、 ハガレンを読んでいた私にとってはこの歌詞はハガレンのことを歌っているようにしか 思えなかった。追い詰められる感じと優しさに手を伸ばせない感じがね。 マオにゃんもね、「兄ちゃん!ハガレン!」っていってにこにこしてる子供の兄弟をみて ニヨニヨすればいいと思う(ハイドが昔そうでした) タイアップって大事やね。いろんな人のイメージを作り上げるんだよ。 私の当面の目標は、この歌詞のような人にならないことです。 (占いで6月の雨が降る時期に出会いがあるとかいわれた女の戯言) 7.dog run ここでまた一気に毛色が変わる。 「センチメンタルマキアート」の「and boyfriend」的な位置づけにある曲。 まず、イントロのドラムにびっくりした。「子供か!」って突っ込みたくなるドラム。 ゆうやさんが大振りでドラムをたたいてそうだ。子供か! そしてこの曲を聴いた直後から、私の頭には「となりのトトロ」のメイちゃんが 腕をブンブン振って行進している画が瞬時にして浮かび上がり、 以来ずっとそのイメージが消えません。どうしてくれる! 4曲目と同様かわいらしい曲ですが、個人的にこちらのアレンジとメロディラインがお気に入り。 まぁ、マオにゃんにはぜひともボーダーがストライプのワンピを着て フレンチポップっぽく歌ってほしいものです。 あ、ネルちゃんお散歩しながら歌うとかね。昼下がりのマダムよね。 8.one way これもバリバリバンドサウンド満開!ライブで盛り上がる曲!なのに その気持ちのままCD音源聞いてしまうとちょっと音量が物足りないんですよね。 ついついボリューム1個2個あげてしまいます。 なんかもっとサビのギターのキラキラした音とかさぁ!もっと目立ってもいいと思うんだ。 明希ちゃんのメロディは絶対どこかできゅんとくる部分があるし、 マオさんもそれを存分に引き出してる。それを邪魔したくない気持ちも分かるけど もっと、もっと前に出よう、な。 アレンジとかミキシングとかちょっと亀田師匠に顔出していただきたい。 あの人、バンドの音キラキラさせんの得意だから。 まぁ、「ライブで聴いてこそ本当に楽しめる」っていうのは、 ライブバンドと称しているシドさんが仕掛けたトリックなのかもしれませんね。 9.2月 ドームなムードやな…。 とか思わずいっちゃいます。もう、聞くとドームの天井が浮かび上がるよ。 キラキラした音だけど渋好みなしーさん全開の曲。 あのー、90年代前半のそれこそ「CDTV」が始まった頃にこういった感じのバラードが 多かったように思います。DEENとかWANDSとか。 でもサビでファルセットつかうのはラルク世代で。 そんなこんなで、いい感じにJ-POPのおいしい所取りな曲です。 TUBEでテンションあがるゆうやさんや、BOØWYに一直線なShinjiさんといった J-POPを臆面もなく素直に好きと言える人たちだからこそ作れる素直な日本のいい曲。 とか思ってたのに、Shinjiさんいわく、昔の洋楽意識してるらしい。うそーん。 まぁ、J-POPだってそもそも歌謡曲に洋楽のかっこよさを織り交ぜたのがはじまりだしな… としつこく言い訳してみる、笑 10.ワイフ 幸せ満開のあとにこの手の曲を持ってくるのはいかにもシドらしい裏切りの定番。 「ワイフ」っていういかにも如何わしいタイトルから予想するとおりの歌詞と シドっちゃんのお得意の夜の雰囲気が、ファンにとっては安心感を覚えます。 やっぱりアルバムの中に1曲はこういうのはいってないとねー。 こういう曲を嫌いじゃないっていってくれる明希ちゃんに感謝。 あからさまに狙って作り、呼ばれるようにしてできた歌詞。マオ明希コンビはなんだかんだで強い。 この2人がちゃーんとシドの基盤をつくって守ってるのね。 やっぱり、バンドが大きくなってくると狙いすぎることをためらって 初期にやってた様な雰囲気を完全に消す人たちもいるわけで。 それがファンにとってどれだけ寂しいことかね。なかなか気がつかないものですよ。 作ってる側って飽きられることが何より怖いはずだから。今のそのイメージでどれだけ売れたとしても、 次に作るときは同じことしたくないから、わざとそのど真ん中からはずして、 新しいところを見せてそれが受け入れられることで自分が成長したと思いたいもの。 でも、大きくなったと思った影で知らず知らず誰かが離れてるのも事実。 そのジレンマでなくなっていくバンドが多数。 残る術は、やっぱりいろんな音楽が作れることだとつくづく思う。どこにでも振り切れる強さ。 11.sleep これも思い出先行型です。 去年ねー、丁度前の店の店長が異動するってんで不安と期待が入り乱れた時期でした。 社会人になって3年間、自分がノイローゼになるぐらいまで散々怒られ続け、とにかく自分の喜怒哀楽全部ひけらかした相手でした。 だからもう、違う店に行くってきいた時うれしい反面、そんだけ強い指導力をもった人がいなくなると この店どうなんのとかいろいろ思ってよく分からんけど泣いたなー。 結果的に、社会人になって最初にぶち当たった人がその人でよかったんですよ。 今がすごく楽だし、自分もほかの店に行った時その人が言ってたことがあながち間違いではなかったことに気づいたので。 だからってまた一緒に働きたいとは思わないけど、笑 っていう思い出がよぎります。恋人との別れじゃないけど「別れ」という点で 通ずるものがありましたのでこの曲きいては妙に感傷的になりました。 しかしながら、この曲の派手なこと。PVも厳かな感じですしね。 シドっちゃんの中でかなり異色だったように思います。 というのも、この曲のアレンジがCHOKKAKUさんといって、過去にラルクの「虹」だったり あとは浜崎あゆみの曲のアレンジなんかを手がけてらっしゃる方なんですね。 それを聞くとあー、なるほど、この曲あゆがうたったらあゆの曲になる、かも。 派手で音が大きく重く鮮明に響くように作られていますね。 明希ちゃんが「感情があふれ出すような曲を作りたかった」といっていたので、 ラルクの「虹」みたいに感情全開の曲を手がけたCHOKKAKUさんをセレクトしたっていうのが あってるなーって思いました。いいよ派手な曲。派手に泣ける。 歌詞は、うん、まったもってそのとおりとしか言いようがない。2番サビあたりが特に。 12.Sympathy やー、もう、たまらん!素敵な終わりすぎて! いいよね。最後バラードよりも、1曲前の重いバラードから流れでこうさらっとした音が 最後に駆け抜けていくの。「ありがとう、バイバイ」より「またね」っていわれるほうが嬉しいのと おんなじで、この曲はまさに「またね!」って言われてるような感じ。 いわば、カーテンコール的な曲です。 食べ物でいうならメインの肉料理食べた後のお茶漬け。 〆はさっぱりの方が次に進む足取りが軽くなるもんです。 だから、この曲聞いた後「あ、もう1回最初っから聴きたい!」ってなるもん。 で、1曲目も壮大な感じというより静かな始まりだからぐっとくる。 あと、嬉しいのがさぁ、5曲目8曲目でくすぶってたバンドサウンドがここへきて解消されてることね。 めっちゃギターがキラキラ鳴ってる!ソロのキュインキュインした音もクリアに尽きぬけてる! そうだ。マオさんの歌詞の中の「ハッピー」で思い出したんですが、 この曲、SADSの「SAD BLOOD ROCK'N ROLL」に収録されてる「HAPPY」に雰囲気が似てるんですよ。 その曲もアルバムの最後に入ってるんですよねー。 どっす黒いロックの〆にこれが入っててなんてかわいい人なんだと思いました。 清春さん傍目激しい人ですけど、メロディアスな曲が意外に多い。 ちなみに、清春さんツイッターで「Sympathy」がお気に入りとマオっさんに言っていました。 やっぱりね。 全体的な観想を言うと、重すぎず、軽すぎずといったいいバランスで 本当に飽きることなく何度でも聴き続けられるアルバムだと思いました。 というのも、重たくて聴き続けることのできないバラードっていうのがないということ、 多少あったとしてもそれが頭と後ろではなく中にはいっており、 頭と後ろの静かさと軽さがそのバラードをふわっとうまいこと包み込んでくれてるんですね。 そう考えると、「hikari」がやっぱり重かったな。 1stだから真面目に真面目に作られて、優等生のアルバムになっていたってことが 今回のアルバムと比較すると如実に分かる。 やっぱなバラード始まりバラード終わりは1周で一息ついてしまうんよ。で、そこを避けて 好きな曲ばっかり聴いてるうちにアルバムのボリューム感が徐々に薄れていくんですよ。 アルバムって曲順とかも意識して作ってるから1枚通して何度でも聞いてほしいもんだよね。 さ、あと、2日後には新潟です。仙台の情報はいれずに参りたいとおもおいまっす!