one day I remember

今思うこと、ある日いつか思い出す、その日のために

ほんのちょっと久しぶりです。 ってところを悪いんですが、久しぶりになんとなぁくお話を思いついたので勢いでまた書いてみる。 一応元ネタありです。こういうこと、どこかの漫画のだれかさんがいってたよなぁ、って思ったら たぶんそれ正解です。 ではでは、今回は、学生のたわいもない会話です。 最後まで強く 最後まで祈ろう そして最後にはすべて奪って勝つ それが卑怯だというなら あなたが何かを得るためにした努力を教えてよ 上を向いてるか俯いているか 真っ直ぐに進んだか回り道か それだけのこと 方法は遠回りでも思いは常に最短で向かっていた だから誰より早く届いた 『あなたを好きになれただけでよかったの。だからもう、十分なんです!』 「・・・なんてさ、どの口がそれをいうの。ねぇ。 あぁ、俺の好きな唇をしたあの子がそれを言おうもんなら俺は世界を呪うね。 あの唇に宿った呪いを俺の呪いで打ち消したいぐらいだね。」 「いや、君に告白してないでしょ。」 「言っただけで晴れるような思いならはなっから俺にぶつけてくんなってのね。 告って、あーすっきりしましたー!って顔すんの。何?俺への恋心は喉にはりついたエヘン虫か。」 「恋は病、っていうしねぇ。」 「もっとさぁ、ないんかね?それでも好きなんですどうにかしてください!とか、 付き合えないならしんじゃう!とかあなたが私を好きにならないなんてありえない!とか、さ。 そぉいう必死な、馬鹿になっちゃってるところは見せてくんないんかね。」 「それを俺、隣の隣のクラスの出席番号16番の人とかにいきなり言われたらひくな。」 「え、誰それ?気になるん?その子が。」 「じゃなくて、『まったく知りもしない女』って意味でいったんだよ。」 「なぁんだ。」 一瞬椅子から浮いた腰をまたとすん、とおろした。 くだらない青少年の話は、時として女子よりきらめいた妄想がある。 女子は一足先に現実を交えるようになる。それが面白いと感じるようになる。 いつまでも夢見がちなのは俺らのほう。 「じゃあ、君は言われたらどう思うわけ?」 さっきの話の続き。えーっと、告白して駄目っていわれてもなおも食い下がってくる女子、か。 「いいじゃん、俺好きになっちゃうかも。」 「隣の隣のクラスの出席番号16番の人でも?」 「おまえそれ今日引っ張るね。・・・ちなみにその人まったくの見知らぬ人でもないから、うん、好きになっちゃうなー。」 「え、誰々?何で知ってるの?」 「昔、塾が一緒な所だったってだけ。」 それなんだけどさ。 その頃やけに勉強熱心だった俺は塾が終わっても1時間ぐらい残っては復習と、ついでに学校から出された宿題をこなしていて。 すると、俺と同じように残っている彼女がいて、最初は彼女のほうが早く帰っていたがだんだん、 俺が帰る時間と一緒になってきて、最終的には一緒に勉強するようになって帰りにチョコバットを 食べて帰る仲にまでなった。 やがて彼女が卒業して入ったのは女子中で、俺は共学。 そして、この周辺で一番の進学校といわれる共学の高校へ俺と彼女は入って再会、ということになるのだが、いかんせんお互い、その2ヶ月のことはすっかり忘れていた。 さらに、この高校で過ごす2年間で同じ文系にいながら勉強に取り組む姿勢があの頃とは大きくかけ離れてしまい 俺は今の高校にギリいられる8組で、彼女は文系優秀組である5組(1~4組までは理系) 接点はゼロに等しい。 彼女の出席番号を知っているのは、掲示板に張り出された図書だよりの右下に書かれている 学籍番号の4ケタがクラスと出席番号を並べたものになっているからだ。 3516 新刊の案内と、彼女が薦める1冊。 俺は何気ないそぶりでその図書だよりをたぶん学校一熱心に見ているはずだ。 「とにかくさ、好きってきもちを前面に押し出してほしいよね。 でなきゃ、怨念のように思い込んでてほしい。」 「嫌われたくないだけなんだって、みんな。好きって言っちゃってただでさえ困らせてるのに さらに困らせようとすることをするのは胸が痛いんだって。」 「そこ!そこだっつーの!なんで自分の気持ちに罪悪感感じてんのさ。俺と妄想の世界でとんでもないことやっちゃってたりそういうことへの罪悪感?むしろ、それも俺うれしい部類に入るよ。っていうか、「好き」っていわれて嬉しくないわけないじゃん?自分だったらどうなの?って思うよ。」 「ようは、しつこくて粘着質で下手すりゃストーカーになりかねん女子が君は好きなわけだ。」 「うん。好きっていうか、そのほうが絶対かわいい。真っ直ぐじゃん。大元たどれば。 『好きにならなくってもいいんです。』っていってあっさり身を引いたつもりでいい人演じて 嫌われないようにするのと同時に「いい女」だと思わせようとする魂胆のほうがよっぽど腹黒で えげつなくて卑怯で、浅はかで、嫌い。」 後ろから寝首かかれるより、前からがぶりと噛まれたほうがこわくないし。 思いの伝え方と、その裏に潜む思いはねじれた関係にある。 「うーわー、それ全国の8割の女子の反感を買ったね。」 「いいよいいよ。受けてたつ。そいつらが嘘ついて作り上げた良心を、俺が真っ正直な思いで バッキバキに砕いて後悔させてやる。『こんなことならもっと好きっていえばよかった』って。 そしたら次からは3割り増しでかわいくなるよ。」 「なんだかんだで君もいい人じゃん。」 「長い目で見れば、ね。『長い目』なんてこの学校の女子は持ちたがらないよ。 横幅より縦幅重視でしょ?」 「何の話?」 「メザイクとつけまとメイベリンのマスカラで作り上げた視界の話。」 キーンコーンカーンコーン はい、青少年たちのくだらない会話、これにて終了。 俺はこれからしばし眠りにつきます。午後3時ぐらいまで。