夏の思い出
唐突ですが、「紅の豚」のエンディングが好きで。
男同士の一騎打ちに、敵味方なくそれぞれが集まって、壮大なお祭り騒ぎとなり
それが終わればまたみんな散り散りになっていくあの光景。
フィオがいう、「あのアドリア海の夏が懐かしい」
そんな夏を過ごしてみたいものだと自分も思う。
でも、別にアドリア海じゃなくてもよいのだ。
そういうことはここ日本でも十分に味わうことができるのを知っている。
それが私にとっては大きな会場でのライブだったり夏フェスで。
8/16 [Alexandros]ZOZOマリンスタジアムにて、久しくそんな気持ちになった。
始まる前の会場の人の群れ、スタジアムに入った時に広がる大きなステージ埋め尽くす客席。
ライブハウスのときとは違う客層があきらかにいて、年齢層もそれはそれは広がっていてうれしくなる。
それぞれがそれぞれの日常を過ごしてあれこれ乗り越えて今日ここにきているんだ
という思いで胸がいっぱいになる。
そして、ライブがおわれば最後のアナウンスを待つことなく足早に東京駅に向かうものもいて(自分もその一人)
東京駅につくとそれぞれの家路につくためのバスを待つファンをみかける。
また、日常へともどるためそれぞれが散り散りになっていく。
その感覚がまさに私にとっての「アドリア海の夏」なのだ。
初の野外スタジアムでのライブおつかれさまでした。
そしてありがとうございました。
磯部さんが「みんなこの日のためにそれぞれてるてる坊主つくったりして…」とか
言っておりましたが私肝心のそれ忘れてましたよね。
とりあえず、日々の行いをよくして徳を積もうと必死でした。
それが功を奏したのか雨は美しい演出となって降り注ぐだけにとどまりました。
感受性豊かなファンの方が「雨とメンバーと曲のマッチングが素晴らしい」と
感動されておりましたが、いかんね、私はもう「このまま雨強くなったらどうしようカッパもってきてないんだよ…」という気持ちが一瞬勝ってしまってね…
もっと素直に感動したかった。そこだけが悔やまれる。
セットリストはもう、ザ・王道!って感じで。
最高のセットリストと洋平さんがおっしゃっていたように、過去最大人数のライブで
これやっとかにゃならんでしょ!と思える曲たちばかりでした。
なんか、〇周年ライブみたいなセットリストでしたな。
過去現在未来をたどっていくライブ。合間にリクエストにこたえる。申し分ない内容です。
たーだ!リクエストの曲半分でもいいからフルで聴きたかったなー!
あ、でもそうしたら私が投票した「Wanna get out」きけなかったかな。
以下、リクエストの曲10曲。
Ovlivion
This Is Teenage
Wanna Get Out
Famous Day
Kill Me If You Can
Waterdrop
Thunder
Starrrrrrr
Travel
Leaving Grapefruits
10位→1位の順で発表(Starrrrrrrはフルで先に歌ってた)してたみたいで。
全体的に湿っぽい曲、叙情的な曲が多いなあといった印象でした。
今現在のドロスさんは攻撃的かつ挑戦的なモードなので、
そういう曲を今聴いている自分たちにとって逆に新鮮味を感じるものであったり、
最近聞いていない雰囲気のものを求めた結果なのかなと思いました。
結局好きなのよ、失恋ソングとか歌謡曲とか普段見せない表情とか。
このリクエストタイムにわりと洋平さんが磯部さんに話を振ることが多くて。
磯部さんのMCがとてもよかったです。彼の性格がとてもよく出ていた。
自身最大規模の会場をみわたして、即「もっと広いところでやりたいけどね。」といえる目標意識の高さ。
「今日のこの日のためにメンバーだけでなくスタッフも頑張っている。(昨日も同会場でライブがあったため)スタッフは徹夜で自分たちのステージを完成させてくれた。」とスタッフをねぎらう気持ちのよさ。
(Starrrrrrrを1フレーズで止めた後も歌い続けた客席に対し)「正直、ここまで歌い続けてくれると思わなかっので感動しました!」と心底嬉しそうに言う様。
それから、インスタグラムで当日熱中症にならないよう経口補水液等の水分補給をして全員が楽しめるLIVEに!と、自身の経験から皆を気遣う優しさと真面目さ。
そりゃ好きになるよねー。
私の中の兄にしたいバンドマン1位に決まりました。最近。
それでも白井さんが一番好きなんですけど。
なんでだろう。Cat2の曲間のMCで「千葉のみなさぁ~ん(断じて全員千葉県民ではない)」と
DAIGOみたいなしゃべり方して、前髪のけたらちょっと芸人の永野みたいだったのに。
「手はこう!パーじゃなくてこうだあああああああ!」とメロイックサインをかかげ、お先にメタルモードに入っているのに。
最後のKick & Spinのラスサビ前で花道まで来たはいいものの、予想以上の火炎の威力に
体をのけぞらせ、ラスサビに入って戻ろうとしたら危うく炎に突っ込みかけて結果戻れなくなり、火であぶられたマイクスタンドを自分に向けようとした結果倒すというアクシデントを披露してるのに。
終始前髪でお顔の6割はかくれていますが、残りの4割で彼がいかに楽しんでいたかはわかります。とにかくずっと笑っていた。なにがそんなにおかしいんだろうってぐらい笑ってた。箸がころがっただけでも楽しいみたいな感じでずっと笑ってた。
それがみられただけでもう十分です。
演出面で印象的だったのは自身のバンド名を映像化したところかな。
1曲目の「ワタリドリ」の後に始まった映像ですが、シャンパンのふたがポン!とあいたり、玉座がうつったりして、
VIPだから玉座なのかな?とも思ったんですが、シャンパンの映像と一緒にでたというところからあぁこれはアレキサンダー大王、すなわち[Alexandros]をあらわしているのだなと思いました。
あとはアルバムのジャケットに絡んだ映像も入り込んでいて(ライオンとか羊とか)
あぁなんとなく「辿る」ライブなのかもしれないと思わせてくれる映像でした。
1曲目が始まる時のワタリドリもストリングスから入り、ドラムが入り、ベースが入り、ギターが入りというみんなが徐々に集結する雰囲気と、そのリズムが行進のリズムっぽくて、あぁ、これまで歩んできた道のりを表しているのかなぁと思ったりしました。メンバーがよく言う、「我々は1歩ずつ着実に」を音で表現したんですね。
ちなみに、オープニングの映像が1曲目の後という不思議な始まりについて。
これは去年のVIP Partyも同じような流れをくんでいるんですが、これについて今回発売されたブルーレイの副音声で説明してくれています。
よくある映画の始まりを自分たちのライブの構成に組んだんだとか。だとすると、エンディングのスタッフロール的な映像も納得がいきますな。
で、ですよ、中盤。
のあとに、2014年のVIP Partyの映像、バンド名を改名することをファンに告げるシーンが流れる。
2014年武道館の「Comming Summer」で洋平さんが「ありがとうございました[Champagne]でしたー!」とこれまでのバンド名に別れを告げると、
映像は先ほどの空の玉座の映像に戻る。
そこへ向かう一人、アレキサンダー大王(と、思われる)
テーブルに置いてあったシャンパンを飲み干し、空のグラスが地に落ち割れて…
[Aleandros]の誕生のシーン。
「はじめましてえええええ![Alexandros]と申します!!!以後お見知りおきを。
早速ですが新曲やっちゃっていいですか!?ぶっぱなしちゃって大丈夫ですか?
準備はいいかー!では…![Alexandros]の新曲で、「Drosky!」」
と、ここまで2014年の武道館の映像が流れ、そしてステージであの時と同じように
「Drosky!」がはじまる。曲が終わるとこれまたあの時と同じ様に洋平さんが
「はじめましてえぇぇぇ![Alexandros]と申します。以後お見知りおきを」とちょっと照れ臭そうにいう。
この一連の流れがめっちゃくちゃかっこよかったです。
で、アンコール終わってメンバー全員最後にシャンパンを飲むっていうのもね。
あー![Alexandros]がガチで[Champagne]を飲み干したー!!!(一人飲み干してないが)
素晴らしいこの演出100点満点やー!ってかなり自分の中で盛り上がりました。
もう、[](括弧)100個つけたいぐらいかっこつけまくってたよねえええええ。
バンド名をこんなにかっこよく扱えるバンドもそうそういない。
曲のアレンジで覚えていたのをいくつか。
「Run Away」の冒頭が、「ワタリドリ」と「Boo!」のイントロを交互に演奏するというとんでもアレンジ。「おっ!?Boo!かなつかしいないいねいいね!」と乗り気だった私の気持ちランナウェイした。
「Forever Young」から「Starrrrrrr」にむかう流れで、「Forever Young」のコード進行のまま「Light Up All Star Yeah」と歌っていたところが好きで、今もふと思い出したときに口ずさんでいたりする。
「I Don't Believe In You」でスペシャルパーカッションの磯部さんによるボンゴ披露。これがとてつもなくかっこいい。あの今のちょっとワイルドな髪形とあいまっていた。ラテン系のお店にいてほしい。
アレンジとかのはなしではないけれどとにかく新曲の「LAST MINUTE」は、ここ最近の新曲群の乾いた雰囲気とまた一線を引いていて、とびきり大人っぽい曲でたまらない。本人の今のモードとは違うかもしれないけれど、私はこのうるおいと湿っぽさと透明感のある曲が好きだ。
雨のサブステの景色より、私は雨で滴った会場の中で「明日、また」と「LAST MINUTE」をやったときの夜の瑞々しさが強く印象に残った。
あぁ、「Come Closer」を生で聴ける日は果たして来るんでしょうか…
その日はストリングスの村田一族もいたわけだし、やろうと思えばできたんじゃ…
次のツアーはやる?アルバムツアーならやる?
いや、そもそも次のアルバムに入るのかな…。それすら不安になってきた!