one day I remember

今思うこと、ある日いつか思い出す、その日のために

リトルプリンス

  下のブログを投稿したあと駅に向かいミュージカル見にいきました。 「リトルプリンス」っていう星の王子様が原作のミュージカルです。 振付を担当されてる方とヘビの役をやっている方がとあるミュージカルで 活躍されている方だということで誘われまして。楽しかったです。 其々の解釈でいろんな人が訳していて絵本を出しているくらい有名な作品なのに 原作読んだことなくてですね。今回無料で配布されたパンフレットに書かれてあった ストーリーを読んでやっと分かりましたよ。 なぜか、「ゾウを飲み込んだウワバミ」の絵だけは知ってたんですけれど。 森博嗣がたしか「星の王子様」出してた気がするから今度読んでみよう。 ミュージカル、というかお芝居を生で見るのが久しぶりでまずそのことにウキウキしましたね。 特にお芝居だな!って感じるのはあの歩き方、走り方ですね。 足音を立てず且つ摺り足にならない、軽く地面につくような動き方をみるだけでどきどきします。 そろーっと動くところと、だだだっ!っと激しく動くところのメリハリ、キレ。 そういったものにもぐいっと惹かれます。音響も生で迫力ありましたよ! 舞台セット自体は移動式の特殊な階段に布がかぶせられたシンプルで応用がきくものでした。 抽象舞台に毛が生えたぐらいの。 まぁ砂漠でのシーンがメインなのでそれほど装置を作りこむ必要がないのは確かですが。 布って便利だなと思いましたよ。布をめくったり動かしたりすることでいろんな物を表現できる。 けどそれは人間がいることで成せる技だし、人間がやることで機械がやったり 細部まで丁寧に作られた無機物が舞台上に置かれている以上の感動を引き起こすことが出来る。 あのー、AWAKE TOURでのkenちゃんのインタビューを思い出しましたよ。 「圧倒されるのは人の動き」っていうの。ほんとだよ。 人間って、やろうと思えば動物にも花にも風にもなんにでもなれる。 そして受け取る側も想像力で人間を何にでも見立てることが出来る。 完璧じゃないけれど、余地を与えてくれる。その余地を想像力や感情の振れ幅で埋めたりして 結果完璧な物よりもずっと心に残るものへと変えてくれる。人の動きってそういうものだと思う。 内容ですが、登場するもの、各エピソードにそれぞれいろんな解釈があるんだっていうことは 置いておきましょう。だって、「かんじんなことは目に見えない」っていってるのに このお話のかんじんな所を独自に解釈して「こういってるんだよ!」って 明確にさせようとする行為がすでにこのお話にそむいている気がするんだもの。 こんなんね、誰だって読めば何かを感じると思うの。 そのぼんやり思ったことをそのまま胸に抱えてればいいんじゃないかな。 わざわざ目に見える所に置かなくていい。 私は頭の中でぼんやり思ったことを明確にしてアウトプットしないと気がすまない 「うさ脳」で、このお話に関してもこの部分はこういうことを伝えたいんだろうなって 沢山沢山思いました。けどここはぐっとこらえて。 大意を受け取り、私の思ったことは私の中にだけおいておきます。 あまりに純粋すぎて泣けないだろう、と思ったけど夕陽を見るシーンといった わりと序盤の所でもうツーっと流れてました。 それからきつねと友達になってさよならするシーンと、飛行士に「笑い声」をプレゼントするシーンで しっかり泣いてました。なんだろうなー。あからさまに悲しいシーンでは泣かないんですよ。 それより、ちょっとずつ歩み寄ってくところや悲しいけれどハッピーな面も残しているところで なくんですよね。うん、ハッピーエンドの方が泣けます。 ヘビの動きがしなやかで艶かしかったですねぇ。しかも一人だけエコーがかった声で なんか誰かのイメージがぽっと浮かんだんですけど誰だろう…思い出せない。 それからきつね!きつねがちょっとずつ王子と距離を縮めていくところと 王子とお別れするときに王子の髪に触れようとして手をひっこめるところに キュンとしました。いじらしい! 終わってからロビーにキャストの方がいたんですけど、一緒に見に行った人たち(先月クリスマスパーチーであつまったご家族の皆様です)は、 お目当てだったヘビさんとお話してサインもらって写真とってテンション最高潮でした。 へびさん、近くで見ると顔の骨格と目が綺麗。 その隣で子供たちに囲まれてる人気者のつねさんがいました。きつねさんのしっぽ触り放題! そしてきつねさんとへびさんは仲良く談笑しながら去っていきました。 みんなサインをもらってたんですけど私はもらわないでおきました。 これもやっぱり目に見える記憶として残しちゃうとそっちに気をとられてしまいそうだったので。 たしかに、舞台上にあがっていた役者さんと身近でお話できたり、サインをもらったりするのって とっても嬉しいし、記憶に残るんですよ。 けど、その役者さんたちにとって一番心に留めておいてもらいたいのって舞台上での自分でしょ? お芝居を見て感動したことより、本人と話せて感動したことの方が大きくなってしまったら 私何にお金払ったんだかわからなくなっちゃう。 お芝居を見に来たはずなのに、手元に残された写真やサインの記憶ばかりが残って お芝居の記憶がなくなってく。そうなってしまいそうな自分が嫌なんです。 まぁ、その写真やサインがお芝居のことを思い出すきっかけになることもありますが。 目に見えるものより、消えていくけど消えていった分想像力が補ってくれる、 頭の中にしかないお芝居を大切にしたい。 それが私なりの役者さんやスタッフさんに表する敬意です。